投資信託「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式オール・カントリー)」を保有している方は多いと思いますが、その投資先が世界のどんな国に広がっているか、意識したことはありますか? 今回は、オルカンの組み入れ国のひとつである南米の国「チリ」に注目してみます。
モアイ像と多様な自然をもつ細長い国
チリは南北約4,300km、太平洋に面した細長い国土をもつ国です。北部には乾燥したアタカマ砂漠、中部は地中海性気候、南部は森林や湖が広がる湿潤な地域と、ひとつの国の中に多様な自然環境が広がっています。
ポリネシア人によってモアイ像が建造されたラパ・ヌイ国立公園(イースター島)をはじめ、インカ帝国やマプチェ族などの先住民族文化が各地に残されています。スペイン植民地時代の名残でスペイン語が公用語として使われており、首都サンティアゴにはスペイン統治時代の建造物も多く残っています。
チリ共和国 基本データ
- 首都:サンティアゴ
- 人口:約2,009万人
- 面積:75万6,000km²
- 言語:スペイン語
- 通貨:チリ・ペソ
- 名目GDP:3,302億ドル
- 経済成長率:2.6%
オルカンに組み入れられているチリのTOP銘柄
ここがオルカン投資家にとって見逃せないポイントです。新興国市場の一角として、チリの主要企業がオルカンに組み込まれています。本社所在地はいずれも首都サンティアゴに集中しています。
| 社名 | 業種 | 事業内容 |
|---|---|---|
| ソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリ | 素材 | 特殊機能栄養素などを扱う化学品メーカー。ヨウ素、カリウム、リチウムの採掘・加工、肥料といった素材を扱う |
| バンコ・デ・チレ | 金融 | 銀行および金融サービスを扱う。預金、融資、クレジットカード保険など幅広い金融サービスを展開。近年はデジタルバンキングなども強化 |
| バンコ・サンタンデル・チレ | 金融 | 個人向けの預金・融資や、複数の金融サービスを提供 |
| ファラベラ | 一般消費財・サービス | 百貨店やスーパーマーケット、ホームセンターなど多様な形態の小売店を手がける |
| センコスッド | 生活必需品 | スーパーマーケット、ホームセンター、ショッピングモールなどを運営 |
化学・素材から金融、小売まで、チリ経済を支える主要企業が、私たちの積み立てる資金の投資先になっているのです。
世界最大級の銅とワイン ― チリのおもな産業
チリといえば、なんといっても銅です。世界最大級の銅鉱床を擁し、銅の生産量は世界一を誇ります。1980〜1990年代の政府による積極的な外資誘致で大規模な鉱山開発が進み、生産量が急増しました。
近年はリチウムやモリブデンといった非金属鉱物も産出され、EV(電気自動車)時代を見据えた資源国としての存在感も高まっています。一方で、生産量は減少傾向にあり、持続可能な新規開発が課題ともなっています。
農林水産業ではブドウやリンゴといった果物に加え、ワインやサーモンが主要輸出品です。「コスパで人気のチリワイン」として日本のスーパーでもおなじみですね。ヨーロッパに負けない品質と、自然環境を生かしたサステナブルなワイン生産が行われています。ワインの原料となるブドウは、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネ、ピノ・ノワールなどが代表的です。
チリは20カ国以上と自由貿易協定(FTA)を締結しており、輸出志向の経済構造です。太平洋を通じてアジア太平洋地域への進出強化にも力を入れています。
世界が注目する都市
サンティアゴ(Santiago)
アンデス山脈の麓に広がるチリの首都。国内人口の約4割が集まり、GDPの約40%を生む経済の中心地です。
プエルトモント(Puerto Montt)
北部パタゴニアにあるサーモン養殖の中心となる港町。海流の影響で魚介類が豊富に生息し、食品加工や輸出拠点として重要な役割を担います。
チュキカマタ(Chuquicamata)
チリ北部に位置する銅鉱山の中心地。世界最大級の露天掘り銅山で、銅やモリブデンを産出します。まさにオルカン組み入れ銘柄の事業の現場です。
旅の豆知識:東京大学アタカマ天文台
少し意外なつながりとして、アタカマ砂漠の標高5,640mのチャナントール山頂には、世界一高い場所にある天文台「東京大学アタカマ天文台」があります。東京大学が設置した大型赤外線望遠鏡施設で、計画開始から26年もの歳月をかけて2024年に完成しました。
まとめ ― オルカンを通じて世界とつながる
普段、何気なく積み立てているオルカンですが、その先には地球の裏側にあるチリの銅鉱山やワイナリー、銀行やスーパーマーケットがつながっています。世界一の銅生産国であり、リチウムなど次世代資源の供給地としても注目されるチリ。次にチリ産ワインを手に取ったときや、EVのニュースを見たとき、「これも自分の投資先かもしれない」と思うと、世界経済との距離がぐっと近く感じられるのではないでしょうか。

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