「ACWI(全世界株式指数)」はどうつくられているのか


目次

ACWIとは何か

ACWI(エーシーダブリューアイ)は、「オール・カントリー・ワールド・インデックス」の略で、世界中の株式を束ねた指標(インデックス)のことです。アメリカの金融データ会社「MSCI(エムエスシーアイ)」が計算・管理しています。

先進国23か国と新興国24か国、合わせて47か国の大型株・中型株を対象にしており、世界の株式市場全体の約85%をカバーしています(2026年5月末時点)。

「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」はこのACWIに連動するよう設計された投資信託です。


どうやって銘柄を選んでいるのか

ACWIに入る銘柄は、3段階のふるい分けで決まります。

第1段階:グローバル株式ユニバース

まず世界全体の上場企業、約3万7,000社をすべてリストアップします。先進国・新興国・フロンティア市場(まだ発展途上の国々)を含む、地球上のほぼすべての上場企業が対象です。

第2段階:投資可能ユニバース

「実際に買い売りできるか」という基準で絞り込みます。具体的には、

  • 時価総額(その会社の株の値段×株数)が一定以上あるか
  • 流動性(株が活発に売り買いされているか)が十分か
  • 市場へのアクセス(外国人投資家でも取引できるか)

この3つを満たした銘柄だけが残ります。

第3段階:インベスタブルマーケット(IMI)指数

残った銘柄を時価総額の大きさでグループ分けします。

グループ内容
大型株時価総額が特に大きい企業
中型株その次に大きい企業
小型株さらに小さい企業

ACWIが採用しているのは大型株と中型株のみ。これで投資可能ユニバース全体の時価総額の約85%をカバーできます。超小型株は除外されます。


MSCIのふたつの強み

強み①:国・サイズ・業種ごとに分解できる

MSCIは世界の株式市場を、国別・サイズ別(大型・中型・小型)・業種別に分類して管理しています。これらを自由に組み合わせることで、「日本の大型株だけ」「新興国の中型株だけ」など、さまざまな切り口の指数を作れます。

強み②:定期的なリバランスで市場の動きに追いつく

「リバランス」とは、指数の中身を定期的に見直し、今の市場の状態を反映させる作業のことです。これにより、ACWIは常に「現在の世界株式市場の姿」を映し出し続けます。


年4回、指数は見直される

ACWIの構成銘柄は年4回(2月・5月・8月・11月)、定期的に入れ替えが行われます。

見直しの種類は3つある

① 定例見直し(Index Review) 年4回実施される定期的な全体的な更新です。新しく採用する銘柄、外れる銘柄、それぞれの構成比率をまとめて調整します。

② コーポレートイベントにともなう変更(Corporate Events) 合併・買収・上場廃止・増資など、個々の企業に起きた出来事によって不定期に行われます。

③ ライト・レビュー(Light Index Review) 市場の流動性が極端に低下した場合や、一部の国の取引が止まった場合に、例外的に開催されます。MSCIの株式委員会が承認したときのみ実施されます。

2026年5月の見直し結果

2026年5月の見直しでは、49銘柄が追加され、101銘柄が除外となりました。地域別では、アジア太平洋エリアからの除外が最も多く66銘柄に達しました。国別では、米国の除外が最多の12銘柄、次いで日本が11銘柄でした。


国別の構成比率:米国の比率は年々高くなっている

2026年5月末時点の国別比率

2026年4月30日時点で、米国が63.41%と最も大きな比率を占め、次いで日本が5.01%、イギリスが3.25%となっています。

比率(2026年4月末時点)
米国63.41%
日本5.01%
イギリス3.25%
カナダ約2.9%
フランス約2.8%
その他約22.6%

(出所:justetf.com、MSCI ACWI構成比率)

なぜ米国がこれほど多いのか

ACWIは「時価総額が大きい会社ほど、比率が高くなる」という仕組みです。Google(アルファベット)・Apple・Facebook(現Meta)・Amazon・Microsoftといった米国の巨大テック企業の株価が大きく成長した結果、米国全体の比率が引き上げられました。

比率の推移を見ると

時期米国日本英国
2004年12月50.58%9.08%10.41%
2014年12月52.35%7.16%7.11%
2024年12月66.62%4.83%3.09%
2026年4月末(最新)63.41%5.01%3.25%

2004年に約51%だった米国比率は、20年で約63%まで上昇しました。一方、日本の比率は9%から5%へと低下しています。2024年末から2026年にかけて米国比率はやや落ち着いてきており、日本・英国は微増の動きも見られます。


まとめ

ACWIは、

  1. 世界47か国・約2,500社を3段階のふるい分けで選定し
  2. 時価総額の大きさに比例して各国・各銘柄の比率が決まり
  3. 年4回の定期見直しで、常に市場の現状を反映し続ける

という仕組みで成り立っています。

現在(2026年5月末)は米国が全体の約63%を占めており、世界株式市場における米国の圧倒的な存在感がそのまま指数の構成に反映されています。


データ出所

  • justetf.com「MSCI ACWI構成比率」(2026年4月30日時点)
  • MSCI Inc. 公式発表(2026年5月定例見直し)
  • iShares MSCI ACWI ETF(BlackRock、2026年5月29日時点)

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。

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この記事を書いた人

私は、経営コンサルタントとして、ビジネスの実践現場で活動しています。現場で「使える知識」として再構成し、“読む → 学ぶ → 行動する” までのビジネスプロセスをサポートしています。

このブログでは、そのようなコンサルティングの経験を通じて、役に立ったビジネス書を紹介します。おすすめ書籍の要約や感想だけでなく、実際に成果につながるエッセンス・行動アイデア・思考法を解説します。「この一冊を読んでどう変わるか?」にこだわったレビューを発信しています。

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