レビュー
「ヘッジファンド」と聞くと、難解で一部の人だけの世界という印象を持ちがちですが、本書は“富裕層の現実的な資産運用”というテーマに絞って、入口をかなり具体的に案内してくれます。
特に良いのは、長期で年利10%以上の実績を持つ海外著名ファンドに投資する、という主張が明確で、複利の数字も提示されるため、読み手がゴールイメージを描きやすい点です。
また、個人でも最低投資単価2000万円程度から投資できる時代になっているという説明は、「知らないと一生触れない世界」を現実の選択肢として引き寄せます。
一方で注意したいのは、そもそも最低投資額の時点で読者を選ぶこと、そして“投資助言コストなどの説明が十分でないのでは”という指摘が見られる点です。実践に移す場合は、本書をきっかけにしつつ、手数料体系やスキーム、リスク、契約条件を自分の目で精査する姿勢が不可欠でしょう。
総じて、ヘッジファンド投資を礼賛する読み物というより、「富裕層が資産を守り増やすために、何を検討材料にすべきか」を把握する入門として有用です。まず全体像を掴みたい人に向く一冊です。
要点
- 富裕層向けに、海外一流ヘッジファンドを用いた資産運用の入口を解説しています。
- 「超一流に運用をアウトソースする」という発想で、長期の複利効果を強調します。
- 平均年利10%運用の例として、1億円が10年で2.6億円などの試算が提示されます。
- 個人でも最低投資単価2000万円程度から投資できる時代になった点を紹介しています。
- 読者レビュー傾向として「読みやすい・分かりやすい」一方、コスト情報の不十分さを指摘する声もあります。
読書の感想
本書を読むと、「資産運用は自分で頑張るもの」という思い込みがいったん外れます。著者が繰り返すのは、世界トップレベルの運用者に資産運用を委ねるという合理性で、特に富裕層にとっては“守りながら増やす”視点が大切なのだと整理されます。
複利の数字が具体的なので、長期運用の威力が感覚ではなくイメージとして入ってくるのも良かったです。
一方で、実際に検討するならコストや条件確認は必須だとも感じました。入門として視界を広げ、次に何を調べるべきかの地図を作ってくれる本です。
こんな人におすすめ
- 純金融資産1億円以上で、資産運用の選択肢を再設計したい人
- 将来の相続・事業成功などで富裕層になる可能性があり、早めに“富裕層の運用常識”を知りたい人
- 海外の著名ヘッジファンド投資に興味はあるが、全体像が分からない入門者
- 長期で年利10%以上を狙う考え方(複利・アウトソース)を理解したい人
- 「本物と詐欺を見分ける観点」を含め、検討の視点を手早く揃えたい人
総合評価
星4.0/5.0
※“分かりやすく読みやすい”評価がある一方、コスト情報の記載などに不満の指摘も見られます。


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