レビュー
本書は、実業家・堀江貴文氏と、元日経新聞記者で経済ジャーナリストの後藤達也氏という異色のタッグによる投資入門・思考法ガイドです。株式投資の初心者から中級者、さらにはビジネスや経済の視野を広げたい人に向けて、「考える投資家」になるための知見を丁寧に伝えています。
冒頭では、堀江氏が「投資は学びの場」であることを説き、後藤氏が「基礎から最新のマーケット事情まで」を解説する構成。これにより、実務と理論の両面から投資への理解が深まる仕立てになっています。
本書の中核は、株式投資を“単なる資産運用”としてではなく、“未来を読む思考訓練”として捉える点にあります。具体的には、次のようなアプローチが提示されています:
- 長期・分散投資によるリスク管理
- 企業の成長ポテンシャルを見抜くための「業界分析」
- 社会課題から銘柄を選ぶ「テーマ投資」
- 投資先の創業者やビジネスモデルへの共感
- 経済指標やニュースの読み方
- 株価暴落時のメンタルマネジメント
また、堀江氏自身が実際に選んだ5銘柄の理由を解説する実践パートも用意されており、抽象論にとどまらない「リアルな視点」が読者に伝わります。
さらに、各章末に掲載されるQ&Aやコラム形式のやり取りが、読者にとって理解を深めやすくしており、専門書でありがちな難解さを排除しています。情報があふれる時代において「自分の頭で考える」ための方法論を、投資というフィールドを通して学べる一冊です。

要点
- 投資は「考える力」「見る力」を鍛える訓練でもある
- 長期投資は初心者がプロと互角に戦えるフィールド
- ポートフォリオは「5社」に絞ることで集中と分散を両立
- 社会課題(人口減、高齢化など)をテーマに投資先を考える
- 銘柄選定には「数字」だけでなく「価値観」や「未来感」も必要
- 株価乱高下には「メンタル管理」が不可欠
- 投資を通じて「世界の見方」や「自分の生き方」が変わる
感想
本書は、単なる「株で稼ぐ方法」ではなく、「思考と判断を磨く方法」を説いている点で、他の投資本とは一線を画しています。特に印象に残ったのは、「ポートフォリオは5社でよい」という潔い提案。多くの投資書が「より広く分散せよ」と語るなかで、むしろ「深く理解した企業に集中せよ」という姿勢には、合理性と堀江氏らしい大胆さを感じました。
また、「人口減」「高齢化」「外国人労働者」など、日々ニュースで触れるトピックから投資の着眼点を探る「テーマ投資」の手法は、日常生活とマーケットが地続きであることを実感させてくれます。読みながら、「この視点は使える」とメモを取りたくなるような具体的示唆が多数ありました。
特に投資初心者にとって価値があるのは、「数字が読めなくても始められる」という視点。企業HPや創業者の思い、プロダクトの使いやすさといった“感覚的な要素”も、十分に銘柄選定の材料になるという考えは、多くの人のハードルを下げてくれるはずです。
一方で、「すでに経験豊富な投資家」にとっては、基本的な内容が多く感じられるかもしれません。ただ、その中にも「初心に帰る視点」や「思考の原点」に立ち返らせてくれる言葉が随所にあり、経験者にも得るものは少なくないでしょう。
後藤氏の文章は非常に読みやすく、知識ゼロからでも無理なく読める構成。堀江氏の実践的かつ独自の視点とのバランスも良く、エンタメ的な読みやすさと、ビジネス書としての実用性が見事に共存しています。
おすすめ読者層
- 株式投資に興味を持ちはじめた初心者の方
- SNSやYouTubeの断片的な情報に振り回されている人
- 「お金の使い方」「未来の読み方」を実践的に学びたい人
- 長期的に資産を育てたい20〜40代のビジネスパーソン
- 投資を通して視野を広げ、思考力を養いたい人
総合評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 読みやすさ | ⭐⭐⭐⭐⭐(5) |
| 実用性 | ⭐⭐⭐⭐☆(4.5) |
| 思考法の深さ | ⭐⭐⭐⭐☆(4.5) |
| 投資初心者向け度 | ⭐⭐⭐⭐⭐(5) |
| 経験者向け度 | ⭐⭐⭐☆(3.5) |
総評
『堀江・後藤流 投資の思考法』は、「投資で稼ぎたい」人だけでなく、「投資を通して考える力をつけたい」すべての人にとって価値ある一冊です。経済や社会の流れを“自分の目”で捉えることの重要性が、やさしく・深く語られており、「投資=人生の訓練」という新しい見方を得られるでしょう。


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