レビュー
『資産が自動的に増えるインデックス投資入門 現役クオンツがやさしく教える』冨島佑允 著
本書は、メガバンクや保険会社、海外のヘッジファンドで資産運用を行ってきたプロフェッショナル「クオンツ」である著者が、一般読者向けにやさしく説いた「インデックス投資」の入門書です。
インデックス投資とは、S&P500やTOPIXなどの「市場全体の値動き」に連動して投資する方法で、専門知識がなくても取り組みやすく、長期的な資産形成に向いているとされています。特に本書では、「なぜインデックス投資が合理的なのか」を金融工学の視点から解説しており、表面的なテクニックに留まらず、根本的な理解が得られる構成になっています。
また、「長期」「分散」「積立」という基本的な投資原則を軸に、実践に必要な8ステップ(目標設定、資産配分、商品選定、口座開設など)が丁寧に紹介されており、読者がすぐに行動へ移しやすいのも特長です。
一方で、FXや個別株などのハイリスク投資をなぜ避けるべきかという警告もあり、情報が偏ることなくバランスの取れた構成になっています。著者の豊富な実務経験が随所に活かされており、「理論」と「実践」の両面から投資を学べる一冊と言えるでしょう。
要点
- 投資は「お金に働かせる」行動であり、老後資金形成に不可欠
- 資産運用の三原則は「長期・分散・積立」
- インデックス投資は市場平均に連動し、低コストで安定運用が可能
- 時価総額加重平均により、自動で合理的な分散投資ができる
- 高リスクな短期投資(FX・個別株など)は初心者に不向き
- 成功より「失敗しない運用」が長期では重要
- 実践には目標設定から始まる8ステップが有効
- つみたてNISAやiDeCoなどの税制優遇制度を最大活用すべし
- 投資は「感情に負けずに続ける」仕組みが鍵
- 定期的なリバランスと生活設計に応じた配分調整が必要
読後の感想
本書を読み終えたときに最も強く感じたのは、「投資は科学的に取り組むことで、不安が安心に変わる」ということでした。
著者は、投資を「再現可能な手法」としてインデックス投資を薦めています。特に、時価総額加重平均による分散効果や、アクティブファンドとのリターン比較など、データと理論に裏打ちされた説明は説得力があります。「投資=ギャンブル」といったイメージを払拭し、理性的に資産運用を考えたい人にとって、本書は非常に心強いガイドになるでしょう。
個人的には、リスクを抑えながら資産を「自動的に」増やすために必要な考え方や仕組みづくり(リバランスや積立自動化)が体系的に学べた点が特に有益でした。さらに、投資の落とし穴についても丁寧に触れており、初心者が避けるべき罠をあらかじめ知っておけるのは大きな安心材料です。
また、著者が「投資で成功すること」ではなく、「失敗しないこと」を重視している点に深く共感しました。市場はコントロールできませんが、自分の行動は制御できる──その姿勢こそが、投資を継続するために最も重要なのだと再認識させられました。
こんな人におすすめ
- 投資をこれから始めたい20代~50代の方
- つみたてNISAやiDeCoを活用して長期運用したい人
- 個別株や仮想通貨に不安を感じている初心者
- インデックス投資の理論背景をしっかり学びたい方
- 「感情に左右されない投資」がしたい方
【評価】
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 読みやすさ | ★★★★★(平易な語り口と丁寧な図解) |
| 実用性 | ★★★★★(すぐに使える知識と手順) |
| 理論的深さ | ★★★★☆(クオンツならではの専門性) |
| 初心者向け | ★★★★★(難解な言葉を避け、やさしく導く) |
| 総合満足度 | ★★★★★(投資初心者~中級者に必携) |


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