米国公認管理会計士(USCMA)って、どんな資格?

キャリア 米国公認管理会計士(CMA)

1 米国公認管理会計士(USCMA)とは?

米国公認管理会計士(US Certified of Managerial Accountant、通称、USCMA)は、管理会計のスペシャリストであることを証明する国際資格です。

米国管理会計士協会(Institute of Management Accountants、通称、IMA)によって承認されるUSCMAは、USCPAと並び権威ある国際資格として世界的に認知されています。
IMA(Institute of Management Accountants, 米国管理会計士協会)は、管理会計における世界でもっとも権威ある協会です。
全世界140ヵ国に約150,000人の会員と300支部以上のネットワークをもっています。

日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパ、アジア、アメリカ等の世界各国で認知されている人気のある国際資格です。
将来、日本でも付加価値の高いプロフェッショナルな資格として認識される将来性の高い資格です。経営者やビジネスリーダー、次世代リーダーは、実用的な経営知識を学ぶことができます。
社内での会計、財務戦略、経営企画など、様々な分野で役立ちます。また内部監査やコンサルティングにも活かすことができます。

日本でのUSMA取得者数は米国公認会計士(USCPA)ほど知られていませんが、アメリカではUSCPAとUSCMAの2つの資格は会計分野のプロフェッショナル資格として同等に評価されます。
USCMA保有者は、大企業のCFOや経営参謀、あるいは経営コンサルタント、会社を代表するビジネスリーダーとして活躍しています。

数年前、早稲田大学もUSCMA取得を促進するためにIMA(米国公認会計士協会)と提携をしました。これから日本でよりUSCMAの存在価値が上がるでしょうし、知名度も上がっていく資格となるでしょう。

米国公認管理会計士(USCMA)試験は全て英語で行われますので、試験合格後は経営・財務・企業統治等の知識に加え、英語力の証明にもなります。
ライセンス登録後は「米国公認管理会計士(USCMA)」と名乗ることができ、社内でのステータスアップや転職・就職時にアピールできます。

より詳しい情報は、IMAのWebサイトを参照してください。

日本では、CPAの方が会計士の資格として知名度も高く人気がありますが、コスパ、合格までの勉強時間、合格後のライセンス取得の手間、ライセンス維持費、実用性、将来性の点から考えると、USCMAの方がリーズナブルな国際資格です。

USCPAを目指相としている方は、まずはUSCMAを目指してからでも遅くありませんし、その方がUSCPAの内容をより理解しやすくなります。
USCPAを目指す方は、USCMAを取得後に、EA(米国税理士)を取得し、そして最後にUSCPAを目指すと、トリプル・ライセンスを取得できます。(実際に、TACでは、USCPAの教科書を、分野ごとに分けて、これら3つの資格テキストにしています。)

USCMAはUSCPAのような独占的な会計監査業務ではなく、管理会計・経営管理・ファイナンス・内部監査のスペシャリストとして企業内の様々な部門で活躍できます。
USCMAが企業内での経営スペシャリストとして活躍ができる資格であるということは、その試験科目の幅広さと網羅性からわかります。

USCMAの受験勉強を始める時に、特に会計の予備知識は必要ではありません。
では、どのような試験科目になっているか、詳しく深堀してみてみましょう。

2 米国公認管理会計士(USCMA)試験

【受験資格】
・4年制大学卒(学部はどこでも可)
・2年以上の管理会計や財務・経理等の実務経験
(受験時ではなく、試験合格後のライセンス登録の時に必要になります。)
・IMAの倫理規定への同意

【試験範囲】
試験は2つのパートで構成されています。
CBT(Computer Based Testing)方式:試験会場のコンピュータを使って回答します。
Part1,Part2 のどちらからでも受験できます。もちろん、同時に受験可能です。
+ - X ÷ √ % に限った計算機は持ち込み可能です。

Part 1: Financial Planning, Performance, and Analytics(財務計画、業績管理・分析)
15% External Financial Reporting Decisions(財務諸表)
20% Planning, Budgeting, and Forecasting(予算編成)
20% Performance Management(業務管理)
15% Cost Management(コスト管理)
15% Internal Controls(内部統制)
15% Technology and Analytics(IT・分析)

Part 2: Strategic Financial Management(戦略的財務マネジメント)
20% Financial Statement Analysis(財務分析)
20% Corporate Finance(ファイナンス)
25% Decision Analysis(意思決定)
10% Risk Management(リスクマネジメント)
10% Investment Decisions(投資)
15% Professional Ethics(企業倫理)

【試験時間】
試験時間は、Part1・Part2、それぞれ4時間の試験です。(Each Part 4 hours – 100 multiple-choice questions and two 30-minute essays)
Part1および2それぞれ、最初の3時間で100問のマルチプルチョイス形式の問題を解きます。
50%以上正解した場合のみ、次のEssay(論述試験)に進めます。Essayは、2問で1時間(各30分)です。

【費用】
1科目415ドル(2科目で830ドル)、学生の場合は1科目311ドル(2科目で622ドル)
その他、CMA 入会費 (nonrefundable) – 250ドル(学生は188ドル)、プラス、メンバーシップ代が必要です。

【難易度】
合格ラインは72%以上の正解率です。
合格率は、世界平均で50%の合格率です。
しっかり勉強すればそれなりに点宗が取れるフェアな試験内容です。
落とすための試験ではないので、十分に準備して臨めば合格可能なレベルの試験です。

【受験までの勉強時間】
USCMAは比較的短期間で合格を狙えます。
IMAは、平均12か月~1年6か月,300時間~340時間の勉強時間が必要と謳っています。
平日1日1時間、週末4時間程度であれば、最短で学習開始から6ヵ月〜9ヵ月で全2科目合格を目指せます。

【必要な英語力】
英語は、そんなに難しくありません。英検3~2級程度あれば大丈夫です。中学3年生~高校2年生レベルの英語で十分という方もいます。

数学は、計算自体は中学三年生ぐらいのレベルです。

たくさん問題をこなしてパターンに慣れると、この問題はあの公式を使えばよいということがわかってきます。
あとは、会計やビジネスに関する英単語に慣れておけば大丈夫です。特に英単語だけの勉強はそれほど必要ではなく、問題を解いてくなかで覚えていけば大丈夫です。

Essay(論述試験)は、大体10数行の英文とシナリオにもとづいた計算をもちいて論述すれば十分です。

【試験会場】
日本で受験可能です。会場は、大阪と東京の2か所あります。
試験会場は以下のサイトで確認してください。

【試験日】
試験は、年3回行われます。
試験登録は、2月、6月、10月の各月15日までです。
試験会場が速く埋まってしまう可能性もありますので余裕を持って登録することをおススメします。

• January/February
• May/June
• September/October

【合格通知】
試験結果は、試験を受けた月から約6週間後にメール等で通知されます。
申込登録から3年以内に合格すればよいことになっています。(試験受験日から3年ではありません。あくまでも登録日からです。)

もっと詳しく知りたい方は、CMAハンドブックを参照してください。👇

3 米国公認管理会計士(USCMA)のメリット

USCMAは、こんな人におススメです。

大学を卒業しても、専門的スキルが無くて自分に自信が持てない人

就職・転職時にアピールポイントがない人

社内評価が中々上がらない人

ビジネスリーダーになりたい人

経営者になりたい人

社内で内部監査や経営・経理・財務業務に携わる人

なぜなら、USCMAは英語と会計の両方の実力を証明できるからです。
ビジネスリーダーとして知っておくべき知識を英語で学習しますので、就職・転職後の実務で学んだ知識をフル活用活できます。
資格は、取得やステータスだけが目的ではありません。

むしろその資格で、どのようなことができるか、転職やキャリアップにつながるのか、つまりどれだけ実践で使えるかがあなたの評価を決めます。
本当に経営のプロフェッショナル、ビジネスリーダーを目指すならUSCPAよりもUSCMAがおススメです。

USCMAは、財務会計はもちろんのこと、、監査、リスクマネジメント、経営企画等、様々な定量・定性分析力が身に尽くため、経営分析の即戦力をアピールでき、社内でビジネスリーダーとしての価値をさらに高めることができます。また就職、転職による即戦力を証明するには大変有効な資格です。

これからのビジネスリーダーは、今以上に的確でスピード感ある経営判断がよりシビアに求められます。コロナ禍で益々厳しいグローバルな経済環境のなか生き残っていくためには、経営の立て直しや経営分析力が今後より重要性を増し、米国公認管理会計士(USCMA)の資格価値はますます高まっていくことでしょう。

国内だけではなく、海外企業との取引や交渉も増加すると考えられます。英語力と会計力に裏付けされた経営知識を身につけると、ライバルよりも一層、自分の存在価値を高められます。

就職・転職では、もはやTOEICの高スコアに加え、プラス1の国際資格であるUSCMAは、生涯にわたってあなたたのビジネス人生に心強い武器となるでしょう。

4 まとめ

「会計の国際資格は、数年間の学習が必要だし、英語も計算も苦手な私が合格できるわけがない」と、チャレンジ前から諦めている方、しっかりと準備すれば、誰でも十分に合格可能な資格です。USCMAは、効率良く学習することで、比較的短期間の合格も狙えます。

今まで解説してきたことを簡単にまとめると、USCMAはこんな資格です。

【学び直しに最適】
国際基準のビジネススキル(財務会計・管理会計・企業倫理・経済理論・IT知識)を証明できるワンランクアップの資格

【管理会計・経営のスペシャリスト】
就職・転職の面接時に「あなたは、何ができますか?」と聞かれたら、自信を持って答えられる資格

社内で正しく評価されるため、自信を持ってアピールできるプロフェッショナルスキルを証明する資格

【英語力と会計力を証明できる】
英語力と国際基準の会計知識を両方同時にアピールできる国際的資格

コンサルティング、内部監査、会計、財務、経理、ファイナンス等の幅広いビジネス知識が学べ、実践的なビジネススキルが身に付く資格

※日本語でUSCMAの講座を学べるのは、今のところTACだけです。
もし興味がある方、資料請求はこちら👇