レビュー
本書『体力が9割』は、堀江貴文氏が“行動の源泉としての体力”に焦点を当てて語る、現代人必読のコンディショニング書です。ビジネス、人生、挑戦――あらゆる成功の裏にあるのは「体力」であるという一貫した主張のもと、実践的なアドバイスが7章にわたり展開されています。
冒頭で堀江氏は、「体力がない人は何も始められない」と語り、思考力やモチベーションも体調に支配されると喝破します。意志や才能ではなく、「動ける身体」がすべての前提であるという主張は非常に本質的です。
本書では、体力そのものの強化だけでなく、それを最大限に活かすための戦略として「行動量を増やすコツ」「やる気を仕組み化する方法」「食事と睡眠による回復の最適化」など、多角的な観点からのノウハウが紹介されます。
特に印象的なのは、「ながら運動」「他動力(人やテクノロジーに頼る力)」といった、現代的かつ合理的なアプローチ。これは、従来の「頑張る」「気合でなんとかする」といった精神論とは一線を画しています。
ビジネス書でありながら、健康書の要素を多分に含む本書は、単なるモチベーションアップではなく、「生きる力」を高めるための総合的な指南書と言えるでしょう。読み進めるごとに、身体のメンテナンスが“最強の自己投資”であることに気づかされます。
要点
- 体力は成功の土台であり、才能より重要。
- 行動量が質を生む。「動いてから考える」姿勢が鍵。
- やる気は行動の後に生まれる。習慣と仕組み化が大事。
- 睡眠と食事が最強の体力回復ツール。
- 体力づくりは「ながら運動」「すき間運動」でOK。
- テクノロジーや外注で“可処分体力”を増やせ。
- 体力は資産。若いうちから戦略的に投資すべき。
感想
堀江貴文氏の著作はこれまでも数多く読んできましたが、本書はその中でも異色の一冊です。ビジネスやテクノロジーではなく、“体力”という極めて原始的なテーマに正面から切り込んでいる点が興味深く、説得力に満ちています。
何よりも印象的だったのは、「やる気はいらない。まず動け」というシンプルながら核心を突いたメッセージです。私たちは往々にして「やる気が出たらやる」と考えがちですが、本書はその前提を根本から覆します。動くことがやる気を生み、行動が自信や成果に直結する。この循環をつくるために必要なのが“体力”なのだと納得させられました。
また、運動や睡眠、食事といった生活の基本を「体力資産の運用」として捉え直す視点も新鮮でした。特に、「すき間運動」「ながら運動」という考え方は、忙しい現代人にとって非常に実用的です。運動=ハードなものという思い込みを解きほぐし、「続けられる仕組みをつくる」ことの大切さを教えてくれます。
そして、堀江氏らしい合理主義が随所に光ります。「テクノロジーを使って自分を動かさずに済ませる」「他人の力を使って“可処分体力”を最大化する」といった発想は、多忙なビジネスパーソンにとって極めて有益でしょう。
ただ一方で、万人向けではない部分も感じました。やや極端な表現や、自身の成功体験に裏打ちされた主張は、人によっては「再現性が低い」と感じるかもしれません。しかし、それも含めて堀江氏らしい“挑戦の書”だと捉えると、納得のいく構成です。
こんな人におすすめ
- 仕事・生活でエネルギー切れを感じている人
- やる気が続かず、習慣化に悩んでいる人
- 健康や運動が苦手だが、改善したいと思っている人
- テクノロジーや他人の力を戦略的に使いたい人
- 忙しい毎日の中で「可処分体力」を増やしたい人
総合評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 実用性 | ★★★★☆(4.5) |
| 読みやすさ | ★★★★★(5.0) |
| 独自性・視点 | ★★★★☆(4.0) |
| 再現性 | ★★★☆☆(3.5) |
| モチベーション喚起度 | ★★★★★(5.0) |
総合評価:★★★★☆(4.3 / 5)


コメント