『こうやって、すぐに動ける人になる。気づけば、ラクに成果が出てる「思考のコツ29」』(ゆる麻布 著)

目次

⭐ レビュー

本書の最大の魅力は、著者の実体験に裏打ちされた「リアルな熱量」にある。多くの自己啓発書が理論やノウハウに終始する中、ゆる麻布氏は自身が経験した修羅場、失敗、そこから這い上がった経緯を赤裸々に語る。だからこそ、その言葉には説得力があり、読者の心に深く刺さるのだ。

著者のX(旧Twitter)では、時に鋭く、時に厳しい言葉が飛び交う。本書でも「言い方が強い」と感じる部分はある。しかし、それは読者を本気で変えたいという情熱の表れだ。実際に読み進めると、厳しさの裏にある温かさや、読者の成長を願う真摯な姿勢が伝わってくる。

特に印象的なのは「環境が人を変える」という視点だ。周りの5人の平均が自分の年収になるという説や、高級ホテルに泊まることで成功者の空気感を体感する提案は、単なる贅沢ではなく「自己投資」として納得できる。環境を変えることで無意識の刷り込みが起こり、自然と行動が変わっていく。この考え方は目から鱗だった。

また「ハードルを下げる」という発想も秀逸だ。多くの人は「頑張らなければ」「完璧にやらなければ」と自分を追い込むが、著者はその逆を提案する。80点でいい、失敗して当たり前、まずはやってみる。このマインドシフトだけで、驚くほど動きやすくなる。

一方で、本書は万人向けではない。すでに行動力がある人や、起業家思考を持っている人には物足りないかもしれない。しかし「動きたいのに動けない」「いつも先延ばしにしてしまう」という悩みを抱える人には、確実に響く内容だ。

文体は口語調で読みやすく、まるで著者が目の前で熱く語りかけてくるような臨場感がある。各章の終わりには実践的なアドバイスがまとめられており、すぐに試せる工夫も嬉しい。

総じて、本書は「読んで終わり」ではなく「読んで動き出す」ための一冊である。行動変革を真剣に望む人にとって、これほど心強い伴走者はいないだろう。


💡 要点

  1. 「サラリーマン思考」から「起業家思考」へ転換する
    完璧主義や失敗への恐れを捨て、ハードルを自由に上げ下げする思考を身につける。80点でいい、失敗して当たり前というマインドで果敢に挑む。
  2. 「他責脳」から「自責脳」への切り替え
    言い訳や愚痴をやめ、すべてに当事者意識を持つ。「自分は悪くない」ではなく「どうしたらうまくいくか」を考える習慣が行動力を生む。
  3. 環境を変えることで無意識を味方につける
    高級ホテルの最安プランに泊まる、成功者が集まる場所に身を置くなど、環境を変えることで自然と基準が上がり、行動が変わる。
  4. 時間とお金の使い方を「投資」と考える
    タクシー代以上の仕事をする、自分の健康と時間を守るためにお金を使う。単なる消費ではなく、未来への投資として判断する。
  5. 幸福は「目標に向かって働くこと」から生まれる
    自由時間が多すぎても幸せにはなれない。夢や目標のために動いている実感こそが、人生の充実感と幸福感をもたらす。

📖 読書の感想

正直、ここまで刺さるビジネス書は久しぶりだった。厳しい言葉とリアルな事例が次々に飛んでくるのに、不思議と読んでいて前向きになれる。まるで著者に直接喝を入れられているような感覚だ。

特に「ハードルを下げる」という発想には救われた。これまで「頑張らなければ」と自分を追い込んでいたが、その思考自体が動けない原因だったのだ。人生は罰ゲームではなく、ファンを増やす神ゲーム。この言葉を聞いただけで、人間関係への見方が変わった。

また、著者の実体験に基づく話は説得力がある。ブラック企業退職、起業の失敗、そこから年商数十億円規模の経営者へ。その道のりは決して平坦ではなかったはずだ。だからこそ、本書で語られる「すぐに動くコツ」には重みがある。

読後、不思議と「やってみよう」という気持ちが湧いてきた。本書は単なる知識ではなく、行動を促すエネルギーをくれる。何度も読み返したい一冊だ。


👥 こんな人におすすめ

  1. 「やりたいことがあるのに、なかなか動けない」と悩んでいる人
    行動のハードルを下げる具体的な方法が学べます。
  2. 仕事のモチベーションが上がらず、毎日が憂鬱な人
    仕事を楽しむための思考の切り替え方が分かります。
  3. 完璧主義で、失敗を恐れて一歩が踏み出せない人
    80点でいい、失敗して当たり前というマインドが身につきます。
  4. 他人や環境のせいにして、愚痴や言い訳が多い人
    当事者意識を持ち、自責思考で動く重要性に気づけます。
  5. 起業やキャリアチェンジを考えているが、リスクが怖くて踏み出せない人
    起業家思考を学び、行動する勇気がもらえます。

⭐ 総合評価

内容の実践性:★★★★★
具体的で再現性の高いアドバイスが満載。すぐに試せる思考法ばかり。

読みやすさ:★★★★★
口語調で親しみやすく、テンポよく読める。熱量が伝わる文体。

独自性:★★★★☆
著者の実体験に基づく視点がユニーク。環境を変える発想が新鮮。

対象読者の広さ:★★★★☆
学生から会社員、フリーランス、経営者まで幅広く対応。ただし、すでに行動力がある人には物足りないかも。

人生への影響度:★★★★★
読後に行動が変わる。何度も読み返したくなる一冊。


【結論】
「すぐに動ける人」になりたいすべての人に強くおすすめします。本書は単なる知識を与えるのではなく、あなたの行動を変えるきっかけを与えてくれる特別な一冊です。

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この記事を書いた人

私は、経営コンサルタントとして、ビジネスの実践現場で活動しています。現場で「使える知識」として再構成し、“読む → 学ぶ → 行動する” までのビジネスプロセスをサポートしています。

このブログでは、そのようなコンサルティングの経験を通じて、役に立ったビジネス書を紹介します。おすすめ書籍の要約や感想だけでなく、実際に成果につながるエッセンス・行動アイデア・思考法を解説します。「この一冊を読んでどう変わるか?」にこだわったレビューを発信しています。

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