分かりずらい資料 VS. わかりやすい資料
1 資料づくりとは
夏休み最後の○○委員会(普通の会社では「会議」に相当)で配られた資料を見て、その厚さに驚きました。
何と、びっしりと小さな文字で書かれた130ページの資料です!
頑張って作ってくれた職員さんたちには悪いけど、委員会終了後はその資料はゴミ箱へ直行。会議中もページをめくる気にもなれず、何が議論されていたか全く記憶に残っていません。
委員会を仕切る学長はいつものように、2時間かけて資料を読み上げて、最後に「では、大筋で認めていただいたということで…」
「130ページもある資料を大筋で認めるってどういう意味???」
「こんな委員会でいいかい!?(怒)」と思いながらも、50人以上いる委員会(会議)では、もはや誰も発言する気力もなく、2時間終始無言。
そんな委員会(会議)が年に30~50回以上もあるのですから、大学はとてつもなく暇人の集まりです。
それでもただ愚痴を言うだけでも無責任なので、わかりやすい資料作りとは何かをもう一度整理して、一生懸命作ってくれた職員さんたちと共有したいと思います。その一部をnoteの読者の皆さんにも共有し、少しでもわかりやすい資料作りに役立てていただければ幸いです。
2 わかりにくい資料
そもそもわかりづらい資料を作ってしまうのは、こんなギャップがあるからです。
<資料の作り手> 可能な限り細かいところまで説明したい <資料読み手> できるだけ時間を掛けずに読んで理解したい
説明する側は、たくさん説明したい、でも聞く側は、なるべく短く、簡単に、わかりやすく説明してほしい。
わかりやすい資料を作るには、このギャップを埋めることが必要です。
3 わかりやすい資料
わかりやすい資料は、以下の3つが揃っています。
(1)ページ数が少ない (2)理解しやすい(問題の所在、解決法、結論のロジックがある) (3)文字や複雑なグラフが少ない
(1)文字や複雑なグラフが少ない
とにかく、不要な文字や複雑なグラフを減らす。
ツイッター140文字以下のように、言いたいことを端的に伝えるのが大事。
もしグラフが文字の代わりになるならシンプルなグラフが効果的。
デザインにこだわるなら、シンプルさこそがデザインの真骨頂。
(2)理解しやすい
読み手がスラスラとリズムを崩すことなく読める資料。
難しい専門用語を使わない。
説明やポイントの明確性。
(3)ページ数が少ない
分厚い資料は、読もう、読みたいというモチベーションを下げる。
必要最低限の情報だけを伝える。
全ての情報を伝える必要はない。
3 資料の作り方
資料を作るときの優先順位をおさえておきましょう。
まずは「見た目」よりも「内容」です。
内容は以下の優先順位で組み立てます。
①ロジカル性(構成) ②文章の端的さ ➂情報(事実=データ)
わかりやすい資料には、デザイン性は不要です。とにかくシンプルにして凝ったことはしないように心がけましょう。
4 シンプルな資料
シンプルな資料にアート性は不要です。
デザイン性と言うならば、それは以下の2つを意識するとよいでしょう。
・大切なところに気がついてくれるためのデザイン ・理解してもらいやすいデザイン
デザインをシンプルにするには、ルールを決めてそれをいつも絶対に守るようにしましょう。例えば、
書体は1種類
文字サイズは2種類
色は2種類
そして本当に伝えたいメッセージを一つだけに絞ることが大事です。
そのためには、以下の3つをいつも心がけましょう。
-
情報の優先順位
無駄な情報を省く
重要な画像だけ残す
これがシンプルでわかりやすい資料です。