人事担当者必見!働かないおじさんに働くおじさんになってもらう方法

キャリア

働かないおじさんになる原因

今や「働かないおじさん」でも、かつてはバリバリ働いていた時期はきっとあったはずです。一生懸命働いていた人たちが「働かないおじさん」になってしまうのはなぜでしょうか。

働かないおじさんになるのは、体力が落ちたり、テクノロジーに疎くなってしまうことよりも、精神的なことが原因のように思います。

若くて出世欲もある年齢の時は、仕事にやりがいを見出し、「新しいスキ ル」を習得して何にでも前向きにチャレンジします。しかし「おじさん」になると、会社が自分を評価してくれないことに失望し、「新しいスキル習得」や「新しいチャレンジ」などのやる気は無くなり、 同じ業務の繰り返しだけやっておけばいいと思うようになります。そして、新たなチャレンジを面倒くなったり怖くなったりして、「おじさん」にとって何もしないことの方が居心地がよくなります。こうしたコンフォートゾーンに入ってしまった「おじさん」は、わざわざ失敗するリスクを冒してチャレンジすることはありません。これが多くの「働かないおじさん」の実態です。

「働かないおじさん」は、もはや期待されないので成果も出ません。しかし、能力的には「働かないおじさん」が若手と比べて落ちるわけではありません。業務能力を単純比較すれば、経験値からしてもベテランのほうが、若手よりも高いはずです。しかし実際は、業務能力が低くても若手は伸びしろがると期待され、能力があるおじさんがダメ扱いされます。これに輪をかけるのが、年功序列型の給与体系です。おじさんは若手に比べると高い賃金や職位をもらっていないのに、成果を上げる期待が高くなりますが、「働かないおじさん」は最初から成果を期待されていません。だったら何もしないほうが、給料の時給は高くなります。働かない方が、「おじさん」には得なのです。

働かないおじさんにやる気を出してもらう方法

おじさんになると働かなくなります。それは、おじさんには、もはや「やりたいこと」や「なりたい自分」がないるからです。なぜおじさんには「やりたいこと」や「なりたい自分」がないのでしょうか。それは、「やるべきこと」や「周囲からの期待」が求めらていないからです。仮におじさんに「できること」や「得意なこと」があっても、おじさんの強みが生きるような会社でない以上、「おじさん」は何もできません。

また、「おじさん」に求められる期待と役割が「おじさん」のスキルとかけ離れていれば、どんなに「おじさん」が頑張っても、価値ある成果を出すことはできません。さらには「おじさん」は頑張っているつもりでも組織から評価されなければ、「おじさん」も被害者意識や不満足感を持ってしまいます。

「おじさん」のなかには、ベテランなのに能力やスキルが不足しているどうしようもない人もいます。しかし、それはまだ解決可能です。おじさんの「変化対応力」と「学習意欲」の減退が原因と分かっているので、そこを解消すればいいだけです。
意欲は高いけれど業務遂行に必要なスキルや知識が不足しているおじさんであれば、救いようがあります。

しかし「いままのままでいい」「面倒くさい」「失敗したくない」といった「おじさん」は厄介です。変化の必要性や変化しないことのリスクをどんなに説いても、そもそも変化を拒絶している「おじさん」には何も通じません。そんな「おじさん」を会社は不適材不適所に追いやります。これが輪をかけて「働かないおじさん」を作り上げてしまうのです。

新しい技術や変化が日進月歩の今、「おじさん」に単に 「変化して」「スキルアップして」「勉強して」と強制しても、その効果はほとんど見込めません。そこで「おじさん」に学習を促す工夫が必要となります。

「働かないおじさん」から「働くおじさん」になってもらうには、以下の6ステップが必要です。

1 好きなきなことに関係する新しいことを学んでもらう
  ↓
2 新しい知識を使って少し自信をもってもらう
  ↓
3 新しい仕事に挑戦してもらう
  ↓
4 できたことが快感となって好きになてもらう
  ↓
5 会社がおじさんの存在意義を認める
  ↓
6 できたことに関係する更に新しいことを学んでもらう

こんなサイクルをつくることが、「働かないおじさん」には効果的です。

人生100年時代にいきる「働かないおじさん」のやりがい

「働かないおじさん」が、働き甲斐が無いのに会社に行くのは、給与をもらうためです。「働かないおじさん」には「やりがい」なんてありません。

そんなモチベーションが超低い「働かないおじさん」でも、「退職する日に自分の仕事人生をどう振り返りたいか 」「退職する日に同僚や家族からどんなコメントをもらいたいか」を考えると、きっと「もう少し前向きに仕事に取り組みたい」という気持ちになるに違いありません。定年退職の日から「どうありたいか」(ゴール)を振り返る作業を「ゴールフォーカス」といいます。特に、人生100年時代で定年を迎え、70歳を過ぎても働き続ける「おじさん」たちは、この問いをじっくり考えてみると、働き方が変わってくるでしょう。

「この歳になるとやりがいだったり何がしたいかなど考えても意味がない」と思っている「働かないおじさん」でも、これまでの人生や仕事で嬉しかったこと、仕事で結果を出したときに感情が高ぶった瞬間などを振り返ってみると、きっとやりがいがあったことに気がつきます。そしてこれからも定年までに働く間にやりがいを見つけたいと、心のどこかで思っているに違いありません。
「おじさん、がんばれ」!