上司に正論言ってもムダ!?
1 なぜ上司に正論が通じないのか?
正論が正しいとは限りません。特に上司には・・・
何故、上司に正論が通じないのか、偉人の教えに学んでみましょう。
こんな、エピソードがあります。
昔ある国に賢者がいました。 その賢者は国を良くするための正しい理論を持っていました。 賢者はその理論を国王に説明するためにどうしたかとうと、まず料理人になりました。 料理人になって、しっかりと働き、王の信頼を得た後に、やっと国を良くするための意見を王に進言しました。 すると王は信頼しているその賢者の意見を聞き入れました。そのおかげで国は中国の覇者となることに成功しました。 逆に異なる賢者たちは十分な信頼を得る前から、遠慮なくどんどん王に進言した結果、あるモノは鞭で打たれ、ある者は殺されてしまいました。 正しいことを真剣したにも関わらず、こんなひどい仕打ちを受けてしまいました。
このように、上司は部下の意見を「正しいか」「正しくないか」ではなく、意見を言った部下のことを「好きか」「嫌いか」で判断する傾向にあります。
本当の賢者は、それを知ってるが故に、むやみやたらに正論を言ったりしません。
さて、 皆さんは、自信を持って上司があなたのことを信頼しているでしょうか。もし信頼されていなければ、どんなに正論を言ても、上司は聞く耳を持ちません。
どんな場合でも合理的で正しいことを言うのが良いというのは、会社組織では違うようです。 そんなことを知らずに得意満面の笑みで自分の発言が受け入れられて当然だと勘違いしている部下のみなさんは、きっと上司に正論が通らずに苛々しているに違いありません。
『韓非子』には、こんな一説があります。
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およそ君主に解くことの難しさは、君主に解くほどの内容を自分でわきまえることが難しいというのではない。
また自分の意向をはっきり伝えるまでに弁舌をふるうことが難しいというものでもない。
さらに自分の思い通りに自由自在に弁立てて語り尽くすことが難しいというのでもない。
およそ説くことの難しさは、説得しようとする相手の心を読み取って、こちらの説をそれに合わせることができるかというところにある。
なぜ、上司に正論が通じないのか?
『韓非子』から学ぶことは、自分が正論と思うことを伝える時は、その相手がどれだけ自分を信頼しているか、自分の事を好きか、ということが大事なんですね。
そうなると、人間関係をあまり疎かにできません。本当にめんどくさい社会です。