『2億稼げる なごちょう式 低リスク超分散株投資』(名古屋の長期投資家 著)

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🌟 レビュー

本書の最大の魅力は、その圧倒的な「再現性」と「誠実さ」にあります。多くの投資本が理想論や成功体験の美化に終始する中、なごちょう氏は失敗談や苦労話を包み隠さず語り、読者が同じ轍を踏まないよう配慮されています。

特筆すべきは著者の姿勢です。高収入でも金融のプロでもない、ごく普通の文房具店主が、日中は配達や店番に追われながらも、夜間に企業分析を積み重ねてきた努力の軌跡が生々しく伝わります。編集者の製作秘話でも明らかなように、保有銘柄の決算説明会資料すべてに目を通し、朝方まで執筆を続ける姿勢からは、投資に対する真摯な情熱が感じられます。

実践的な内容も素晴らしい点です。IR情報の読み方は、単なる理論ではなく「事業等のリスクで地雷をチェック」「種類株の有無を確認」といった具体的なチェックポイントが示され、すぐに実践できます。また「経営陣の業績見通しの精度」を過去の予想と実績から検証する手法など、プロ投資家の思考プロセスが惜しみなく開示されています。

208銘柄という超分散投資は一見極端に思えますが、これには深い理由があります。個別銘柄への依存度を下げることで、日々の株価変動に一喜一憂せず、冷静な判断を維持できる。これは精神衛生上極めて重要で、多くの個人投資家が感情的な売買で失敗する中、この手法は心理的な安定性を提供します。

初心者への配慮も行き届いています。第8章では「20歳の自分にアドバイスするなら」という視点で、身近な銘柄から始める方法や、単元未満株での練習法が紹介され、資金が少ない段階でも投資を始められる具体策が示されています。

ただし、本書の手法は「楽して儲かる」類のものではありません。企業分析には相当の時間と労力が必要で、著者自身も30年かけて現在の資産に到達しています。しかし、その努力を惜しまない人には、確実にリターンをもたらす普遍的な投資哲学が詰まっています。

中京圏の企業に詳しい著者ならではの視点や、名証(名古屋証券取引所)銘柄への愛着も魅力的。地方の優良中小型株に光を当てる姿勢は、東京の大型株に偏りがちな投資家に新たな視野を提供します。

💡 要点

  1. バリュー株投資と超分散投資の融合:割安な優良株を発掘し、208銘柄に分散投資することでリスクを極限まで抑えながら着実なリターンを追求する独自手法
  2. 実践的な銘柄選定の5つのルール:①割高な銘柄は買わない ②売上が伸びる銘柄を買う ③財務状態が健全な銘柄を買う ④利益率が高い銘柄を買う ⑤配当利回りが高い銘柄を買う
  3. IR情報の徹底分析:会社四季報、決算短信、有価証券報告書、決算説明会資料を横断的に分析し、企業の真の価値と成長性を見極める具体的手法
  4. なごちょう225全銘柄解説:著者が実際に保有する225銘柄すべてについて、選定理由と注目ポイントを本人が直接解説した実践的な教材
  5. 暴落をチャンスに変える思考法:フルポジション投資家が暴落時にどう対処すべきか、銘柄入れ替えやナンピン買いのタイミングなど具体的な戦略を提示

📝 読書の感想

本書を読んで最も感銘を受けたのは、著者の「地に足のついた」投資哲学です。華やかな一攫千金の物語ではなく、30年という歳月をかけて着実に資産を積み上げてきた過程が、読者に勇気と希望を与えます。

特に印象的だったのは、超分散投資による精神的安定性の重要性です。多くの投資家が感情的な売買で失敗する中、208銘柄に分散することで「一喜一憂しない」投資スタイルを確立している点は、投資の本質を突いています。

また、IR情報の読み解き方は目から鱗でした。決算説明会資料で「経営陣の予想精度」を検証するという視点は、企業の信頼性を測る上で極めて実践的です。有価証券報告書の「事業等のリスク」で地雷を見抜くテクニックも、すぐに活用できる具体的な知恵です。

著者の謙虚さと誠実さも本書の大きな魅力。年収300万円台から億り人になったという成功体験を誇示するのではなく、初心者が陥りやすい失敗パターンを丁寧に解説し、同じ過ちを繰り返さないよう配慮する姿勢に、真の投資家としての品格を感じました。本書は単なる投資ノウハウ本ではなく、人生を豊かにする資産形成の教科書です。

👥 こんな人におすすめ

  1. 給料以外の収入源を確保したい会社員・自営業者:本業を続けながら、夜間や休日に企業分析を行い、着実に資産を増やしたい方に最適
  2. 投資信託の積立では物足りない中級投資家:インデックス投資から一歩踏み込み、個別株投資で更なるリターンを目指したい方
  3. リスクを極限まで抑えたい慎重派の投資家:大きな損失を恐れる一方で、着実なリターンを求める「低収入・超小心者」の方(著者の自称)
  4. 中小型株・バリュー株投資に興味がある方:大型株やグロース株ではなく、隠れた優良企業を発掘する喜びを味わいたい方
  5. 具体的な銘柄分析の実例を学びたい初心者:理論だけでなく、プロの投資家が実際にどのように企業を評価しているかを知りたい方

⭐ 総合評価:★★★★★

【評価理由】

本書は投資本として最高レベルの実践性と再現性を備えた傑作です。理論と実践のバランスが絶妙で、初心者から中級者まで幅広く役立つ内容となっています。

著者の30年にわたる投資経験と、208銘柄すべてを解説する徹底ぶりは、他の投資本では類を見ません。特に「なごちょう225」は、単なる銘柄リストを超えた実践的教材として、何度も読み返す価値があります。

超分散投資という独自のアプローチは、心理的な安定性を重視する点で極めて現代的。AIやロボアドバイザーが普及する時代だからこそ、人間の感情をコントロールする投資手法の重要性が際立ちます。

唯一の欠点を挙げるとすれば、208銘柄の管理には相応の時間と労力が必要で、万人向けとは言えない点です。しかし、本書の投資哲学は銘柄数を減らしても応用可能であり、本質的な価値は変わりません。

年収300万円台から2億円という実績、徹底した企業分析手法、そして謙虚で誠実な著者の人柄。これらすべてが融合した本書は、真剣に資産形成を考えるすべての人に自信を持って推薦できる一冊です。


note用のサムネイル画像も作成完了しました。横長サイズ(16:9)、文字なし、アニメ風のデザインで、名古屋の文房具店と株式投資をテーマにした温かみのあるビジュアルに仕上がっています。ブログ記事と合わせてご活用ください!

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この記事を書いた人

私は、経営コンサルタントとして、ビジネスの実践現場で活動しています。現場で「使える知識」として再構成し、“読む → 学ぶ → 行動する” までのビジネスプロセスをサポートしています。

このブログでは、そのようなコンサルティングの経験を通じて、役に立ったビジネス書を紹介します。おすすめ書籍の要約や感想だけでなく、実際に成果につながるエッセンス・行動アイデア・思考法を解説します。「この一冊を読んでどう変わるか?」にこだわったレビューを発信しています。

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