レビュー
『世界標準の資産の増やし方』は、金融業界で20年以上活躍してきた著者・河北博光氏が、娘に伝えたい「お金の本質」をわかりやすくまとめた一冊です。単なる資産運用のハウツー本ではなく、「どうすればお金に縛られず、自由に生きられるか?」という本質的な問いに答える内容となっています。
本書の構成は、Prologueと4章+Epilogueというシンプルなもの。序盤では「お金に対する思い込み」や「誤った節約信仰」を否定し、お金を“人生を自由にするためのツール”として捉える視点が提示されます。続いて、自分への投資を通じてリターンを得る考え方、資本主義社会での「稼ぐ力」の重要性、そしてグローバルな資産運用の必要性へと論が展開されていきます。
金融リテラシーや営業力、語学力といった、外資系のビジネスパーソンとして著者が重視してきた実践的なスキルにも言及があり、理論と経験がバランス良く融合されています。さらに「子どもに伝えるにはどうすればいいか」という観点もあり、家庭での教育や親の在り方にもヒントを与えてくれる内容です。
「自由とは、自分の選択肢を自分で広げられること」「そのために、お金を味方につける必要がある」──このメッセージは、経済的不安を抱える多くの現代人に深く刺さるでしょう。特に女性や子育て世代、将来に漠然とした不安を持つビジネスパーソンには大きな気づきがあるはずです。
📝 要点まとめ
- お金に対する「負の思い込み」を外し、中立的な道具として捉える。
- 節約より「自己投資」が将来の豊かさを生む。
- 資本主義のルールを知り、「労働」以外の収入源を持つ。
- 金融・語学・営業力は、時代に左右されにくい投資価値の高いスキル。
- 日本国内だけでなく、グローバルに資産分散する視点が必要。
- お金の理解は、人生の選択肢を増やす「自由の鍵」。
- 子どもや次世代に、お金の知識を“生きる力”として伝えることの重要性。
💬 感想
本書を読み進める中で印象的だったのは、「お金を持つことの目的」が極めて明確に示されている点です。それは、単なる贅沢や成功の象徴ではなく、「人生の選択肢を失わないための手段」であるということ。著者が「お金がないからやりたいことを諦める人生なんて、つまらない」と断言する姿勢には、強い信念と実体験に裏打ちされた説得力があります。
また、女性であり、母親であり、金融のプロであるという著者の立場から語られる内容は、単なる理論ではなくリアルで具体的。たとえば「子どものお小遣いに5万円を与えて自己管理を学ばせる」といったエピソードは賛否あるかもしれませんが、教育観としての示唆に富んでいます。
一方で、投資のテクニカルな部分に関してはやや抽象的で、実践ノウハウを求める読者には物足りなさを感じる場面もあります。不動産や金融商品などへの具体的な投資戦略は控えめで、どちらかといえば「マインドセット」や「生き方」を重視した構成です。
つまりこの本は、“今すぐ利益を出すための教科書”というより、“人生におけるお金の意味を根本から見直す哲学書”に近い存在です。著者のこれまでのキャリアを知る読者には、より深く刺さるでしょう。
総じて本書は、「投資を始めたいけど不安」「家計管理に悩んでいる」「子どもにお金の教育をしたい」と考えている人にとって、価値ある「一歩目の書」と言えるでしょう。
🎯 こんな方におすすめ
- 「投資は怖い・難しそう」と感じている初心者の方
- 子育てをしながら、経済的自立を目指す保護者
- お金に対する考え方を根本から見直したい方
- 自己投資・キャリア形成に関心があるビジネスパーソン
- 教育や金融リテラシーに関心のある20〜40代の男女
⭐ 総合評価
| 項目 | 評価(5点満点) | コメント |
|---|---|---|
| 読みやすさ | ★★★★★ | シンプルで平易な表現。初心者にも優しい。 |
| 実用性 | ★★★☆☆ | 投資テクニックは少ないが、考え方の基盤を学べる。 |
| 信頼性 | ★★★★☆ | 外資金融の実務経験が背景にあり、説得力あり。 |
| 独自性 | ★★★★☆ | 子どもへの伝え方や女性視点がユニーク。 |
| 総合満足度 | ★★★★☆ | 投資入門書として良書。「お金と人生」を結びつける一冊。 |


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