どんな時でも役立つ8つの思考法
思考テクニックのススメ
思考テクニックを知っていると、どんな問題であっても結論を導き出せるようになります。
特に、こんな思いを持っている人には、有益です。
・説得力をアップしたい
・考えをパッとまとめたい
・あっと言わせるアイディアを提案したい
具体的に、どんな思考テクニックがあるのでしょうか。
これから紹介する8つの思考法を知っていれば、臨機応変に色々な問題に直面しても、結論を導き出すことができます。そして、説得力が増してプレゼンや企画書のレベルもワンランクアップします。
1 セパレート思考
2 Q思考
3 仮説思考
4 論点思考
5 論理思考
6 水平思考
7 コンセプチュアル思考
8 シナリオ思考
大手コンサル会社のコンサルタントたちが、スマートに問題解決策をポンポン提案できるのは、思考法の引き出しが豊富だからです。
ということは、思考法のパターンを知っていれば、誰でもコンサルタントのようになれるということです。
これから紹介する思考法は、きっと日々の仕事ですぐに役立つはずです。
できるビジネスマンには必要な思考法です!!
セパレート思考
セパレート思考は、複雑な問題を整理したいときに使う思考法です。セパレート、つまり2つに分けて思考を整理できるのが特徴です。セパレート思考は、分ける基準も自由に決めてOK、ロジカルシンキングも不要です。
例えば、タスクの優先順位を考える時は、このように2つに分けます。
「やるべきこと」(should) or 「やったほうがいいこと」(better)
もう一つ例を挙げてみましょう。
利益目標を達成するために何をすればいいかを考える時、
「売上アップ」or 「コストダウン」
むずかしい課題や問題に直面した時、何からすればいいかわからない時は、セパレート思考から入るとよいでしょう。複雑に思える問題は、とにかくシンプル化が大事!シンプルに考えれば、次が必ず見えてきます!!
セパレート思考についての、おススメの本は『問題解決のためのセパレート思考』
Q思考
Q思考のQとはQestionsの「Q)です。アイディアを生み出すには3つのQがあります。
・なぜ?
・もし?
・どうすれば?
思考停止の時、この3Qを突破口にすると、新しいアイディアが生まれやすくなります。
例えば、残業時間が中々減らない場合、「人手不足だから残業時間が減らない」と考えてしまいます。Q思考を使うと、以下のステップで考えられるようになります。
「なぜ残業時間が減らないのか?」
↓
「もし打ち合わせを半分の時間に短縮したらどうなる?」
↓
「打ち合わせではなく、メール会議にして、残業が減るか試してみよう」
Q思考のコツは、
・「なぜ?」を繰り返し、
・前提条件を取り払って全く別の仮説を立て、その仮説を確認し、
・もしダメならトライエラーを短時間でたくさん積み重ねる
仮説思考
仮説思考は、情報があり過ぎて結論を出せない時に使える思考法です。
戦略を練るコンサルタントは、企業から問題解決を丸投げされます。普通レベルのコンサルタントは、溢れかえる情報量を片っ端から探り、そこから重要な情報を集めて、問題解決方法を探ります。これでは時間もかかり、また途中で何が問題だったかわからなくなります。
一方、優秀なコンサルタントは、情報が少ない状態でも、まず企業が抱える問題の全体像を大まかに理解して、結論に仮説を立てて分析して検証します。もし仮説(BEST GUESS)が当たっていれば、更に深堀していきます。もし、仮説が間違っていれば、新たな仮説を立てて検証します。
このように、仮説と検証を繰り返すと、短時間で効率的に問題解決にたどり着きます。
仮説思考のコツは、とにかく、最初に仮説を立てて、すぐに検証することです。仮説が間違っていたら、すぐに次の仮説を立て、また検証します。
例えば、「親の年収と子どもの偏差値は関係しているか」という問題があるとします。
データ1:親の年収が1000万円以上の子どもは、月謝の高い塾に通っている
データ2:月謝が高い塾に通っている子どもは、有名大学に合格している
データ3:年収が1000万円以上の親は、学歴を重んじる
この3つのデータから考えられる仮説
「年収が1000万円以上の親の子どもは、学力が高い」
この仮説・結論が正しいかどうか、更に分析を深めます。
情報量が多いくて結論が出せない時は、ぜひ仮説思考を使ってみてください。きっと、そこから突破口が開けるはずです。
おススメの本は『仮説思考―BCG流 問題発見・解決の発想法』
論点思考
論点思考は、そもそもその問題は解決する意味があるのか疑うことから始めます。
「そもそもこの問題は解決すべき問題なのか?」
↓
「問題を解決したら、どのよう変わるのか?」
↓
「何も変わらなければ、そもそもこの問題を解決するのは意味がない」
もし与えられた仕事に違和感を感じたら、論点思考で確認しましょう。
上司に指示された課題を一生懸命に解決しようとするのは思考停止の可能性があります。
そもそもこの課題は解決する問題なのかをまず考えましょう。
例えば、上司に、ライバル社の商品以上の機能を付けるように指示された場合、このように考えます。
・どんな機能を加えるかを考える前に、そもそもこれ以上の機能は必要か?
・消費者はこれ以上のスペックを求めているのか?
・むしろ機能をもっとシンプルにして商品価格を下げたほうがライバル社よりも優位性が高まるのではないか?
これが論点思考です。つまり論点思考は、思考の出発点を疑うことです。
おススメの本は『論点思考』
論理思考
論理思考は、人を説得したいときに使う思考法です。
論理思考には演繹法と帰納法の二つがあります。
どちらもステップバイステップで論理を組み立て、答えを導きだします。
【演繹法】
共通する事柄から個別のケースに落とし込み、結論に至る思考方法です。
例えば、
A,B,Cの条件を満たす人は優秀である。
↓
佐藤さんA,B,Cの条件をクリアしている。
↓
佐藤さんは優秀である。
といったステップを一つずつ踏んで、論理を構成して答えを見つけます。
【帰納法】
個別の事柄から共通する法則を導いて、結論に至る思考方法です。
例えば、
佐藤さんは、2月にインフルエンザにかかった。
↓
多くの人は、2月にインフルエンザにかかりやすい。
↓
私も、油断すると2月にインフルエンザにかかるだろう。
どちらの論理思考も、自分が主張する際に矛盾点をつぶして説得力を上げたいときに使える思考法です。
ただ、この論理思考法は、決して万能ではありません。なぜなら、論理の飛躍が制限され、独創的な思考が生まれにくいからです。もし、独創的なアディアが欲しい時は、水平思考を使います。
水平思考
水平思考は、新しいアイディアや斬新な企画を考える時に使う思考法です。
水平思考は、A⇒B⇒Cとステップバイステップで答えを導きだす「論理思考」と真逆の思考法で、ステップを無視して全く異なるアプローチから答えを導きだすのが特徴です。
論理思考は、このように考えます。
A社の炊飯器はお米の種類ごとにご飯が炊けて人気がある。
↓
論理思考(ステップバイステップで考える)
↓
A社よりも炊飯器を多く販売するには、どういった機能を追加すべきか
水平思考の場合は、こんな感じです。
お米だけでなく、炊飯器でパンも作れるようにしよう!
ご飯だけでなくパン志向のマーケットも取り込もう。
水平思考では、「なぜパン?」と考える必要はありません。
水平思考は、世間の常識にとらわれずに自由かつ斬新なアイディアを出す手法です。
一つに関連した情報をたくさん集めてしまうと、自由に考えることができなくなるので、あまり情報は集めずに、ひらめきに頼ることが大事です。
論理思考で説明できなくてもいいと割り切ることで、斬新な企画を考えられるというメリットがあります。
コンセプチュアル思考
コンセプチュアル思考は、広い視野で考える時に使う思考法です。
判断やものの見方に偏りがある方は、対極的視点で考えることができるようになります。
まず、今の考えを以下の5つの項目のどれかに当てはめます。
・直観的
・抽象的
・主観的
・大局的
・長期的
次に、その項目と対極的な視点で考えます。
・論理的(⇄直観的)
・具体的(⇄抽象的)
・客観的(⇄主観的)
・局所的(⇄大局的)
・短期的(⇄長期的)
直観的なアイディアを論理的に見直す、抽象的なアイディアを具体例を考えるなど、対極的思考は偏った考えを見直すことで、本当に大事なことが明らかになり、バランスが取れた結論にたどりつくことができます。
人は誰でも最初に考えたアイディアは視野が狭くなり偏りがちになります。
特に人をまとめたり指示したりするような立場の人は、偏った考えでは務まりませんので、コンセプチュアル思考は必要なスキルです。
例えば、指示した業務が遅い部下とデッドラインを守るという二つの課題を長期と短期で考えると、
短期:新人Aさんに仕事を任せると、デッドラインに間に合わない
↓
長期:代わりに先輩社員がやってもいいが、新人Aさんが育たたないのでアドバイスする
↓
短期:新人Aさんが仕事を覚えるが、デッドラインに間に合うかどうかがまだ不安
↓
長期:不安でも新人Aさんの今後の成長のために経験させる
↓
短期:新人Aさんに任せて、取引先にデッドラインを1日伸ばしてもらうようにお願いしてみる
↓
長期:新人Aさんの成長を優先した結果、「できた」という自信につながり、仕事も覚えるようになる<ゴール>
シナリオ思考
シナリオ思考は、不確実な将来に向けて、今やるべきことを考える思考法です。将来起こり得るシナリオを想定し、備える対策を考える時に役立ちます。
シナリオ毎に対策を準備しておけば、それが現実になっても対応できます。
そのためには、特に管理職は将来は何が起こるかわからないという緊張感と変化に敏感でいることが求められます。
例えば、
現在は売上は予定通りで順調である。
↓
将来、もし他企業が似た商品を安価で出したらどうするか?
↓
価格以外の売り、価格に見合う機能を足せるよにしておく
将来、もし会社が更に売上目標を上げた場合どうするか?
↓
マーケティングで潜在顧客を見つける
将来、もし優秀な営業マンが転職したり定年したりしていなくなったらどうするか?
↓
若手社員の育成を強化する。
事業計画をどんな状況下でも進めることが求められる管理職には、必要な思考法です。
おススメ本は、『シナリオ・シンキング―――不確実な未来への「構え」を創る思考法』